きょう5月10日は、Bill EvansとJim Hallによるデュオアルバム“Intermodulation”がレコーディングされた日です。このアルバムは、同じメンバーによるアルバム“Undercurrent”の影に隠れてしまい見過ごされがちですが、“Intermodulation”もまた、期待を裏切ることのない素晴らしい作品として仕上がっています。
このアルバムでは、EvansとHallがスタンダードナンバーを個人的なスタイルにアレンジし、革新的なアプローチを見せています。アルバムは2つのスタンダードで幕を開け、その後、デュオがオリジナルの素材に移り、独自のアイデアを盛り込んだ優れた楽曲に進化させていきます。例えば、オープニングの曲「I've Got You Under My Skin」では、フェイクされたメロディと即興的なテイクが見事に融合し、名手二人による相互作用と彼らのクリエイティブに満ちたプレイを聴くことができます。また、クラシックなワルツ「My Man's Gone Now」での、Evansの感情豊かなプレイはとても印象的です。アルバム全体を通して、EvansとHallが空間を丁寧に使い、詩情豊かなインタープレイを繰り広げています。
収録時間は短い作品ですが、それでも、“Intermodulation”は、EvansとHallによる貴重な音楽の一つとして、一聴の価値があります。緊張感が漂うというよりかは、このアルバムはリラックスした雰囲気が特徴です。ビアノとギターが絶妙なバランスで調和し、名手たちの技量が光る名盤です。
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