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Dexter Gordon:その復活を告げる名盤“Doin' Alright”

 きょう5月6日はDexter Gordonのアルバム“Doin' Alright”が録音された日です。このアルバムは、1961年のリリース以来ジャズシーンにおいて高く評価されている名盤というだけでなく、Gordonが困難を乗り越えて復活し、ハードバップのジャンルで新たな地位を築いたことを示す作品です。当時の彼は既に、ジャズシーンの中でも際立った存在であり、Lionel HamptonやBilly Eckstineといったビッグネームとの仕事で称賛を受けていました。しかしこのアルバムの発表以前の彼は、一時期公の場から姿を消し、中毒と個人的な悩みと闘っていました。この録音は、彼のカムバックだけでなく、歴史に残る彼のキャリアの新たな章を刻みました。


 録音は、ブルーノート・レーベルのもとで行われ、Gordonを含む5人の才能ある若手ミュージシャンによって成し遂げられました。Freddie Hubbard、Horace Parlan、George Tucker、Al Harewoodといったメンバーが、このアルバムに独自の色彩を加えました。


 アルバムには、George Gershwinの名曲“I Was Doing All Right”や、Gordon自身による感動的なオリジナル曲が収録されています。ハードバップのエッセンスが存分に詰まった作品であり、彼のリーダーシップが際立つプレイが繰り広げられます。

 特に“Society Red”という12分に及ぶブルースは、Gordonのストーリーテリングの技術が光る一曲です。HubbardやParlan、Tucker、Harewoodといった他のメンバーとの息の合った演奏が、アルバム全体に深い感動と活力を与えます。


 このアルバムはリリース以来その影響力は変わることなく、ジャズファンのみならずミュージシャンにも愛され続けています。そのタイムレスなサウンドと深い表現力によって、Dexter Gordonの“Doin' Alright”は、ジャズの歴史に残る必聴の名盤と言えるでしょう。


 
 
 

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