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執筆者の写真ス・モンク カフェ

Dexter Gordon:豪快ながら歌心あふれるテナーの響き

 



 きょうは、テナーサックス奏者Dexter Gordonの命日にあたります。


 彼が音楽の世界に足を踏み入れたのは13歳の時でした。当初はクラリネットを学んでいましたが、15歳でアルトサックスに転向し、その後17歳でテナーサックスに移りました。彼は高校に通いながら、マルチ楽器奏者の Lloyd Reeseや吹奏楽部の指導者Sam Browneから音楽の指導を受け、Chico Hamilton や Buddy Colletteといった同世代のミュージシャンたちとバンドでプレイする機会も得ていました。


 1940年から1943年にかけて彼は、Lionel Hamptonのバンドに所属し、Illinois Jacquetや Marshal Royalと共にサックスセクションで活躍しました。その後、Fletcher Henderson楽団やLouis Armstrong楽団、さらにはBilly Eckstine楽団にも加わりました。1945年から1947年にかけては、サヴォイ・レコードやダイアル・レコードとのレコーディング・セッションに精力的に参加し、Bud PowellやMax Roach、Art Blakeyらと共演を果たしました。当時の演奏は“Dexter Rides Again”や“Long Tall Dexter”などのアルバムに収められ、その成果は現代でも高い評価を受けています。


 しかし、1950年代には麻薬問題に悩まされ、活動が低迷することとなります。Gene Norman主催のジャスト・ジャズ・コンサートに出演したり、Carl Perkins らと“Dexter Blows Hot and Cool”などのアルバムを録音し一時的に復帰を果たしますが、本格的な復帰には60年代まで待たねばなりませんでした。


 1960年代初頭からは欧州で活動し、Herbie HancockやKenny Drewらとの共演で再び注目を集めます。1976年にはアメリカに戻り、殿堂ヴィレッジ・ヴァンガードでコンサートを行い、後進の指導にも力を注いだほか、映画“Round Midnight”では主役を務め、アカデミー主演男優賞にノミネートされるなど、その幅広い才能は多くの人々に認められていました。


 1990年4月25日、ペンシルベニア州フィラデルフィアで亡くなりましたが、彼の演奏はジャズ史において不朽のものとして残り、多くのファンに愛され続けています。


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