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執筆者の写真ス・モンク カフェ

"Fats" Waller:ジャズ界の人間山脈、そしてユーモア溢れるエンターテイナー


 きょう5月21日は、20世紀初頭のアメリカで活躍したジャズピアニスト、オルガニスト、作曲家、そしてコミックエンターテイナーとして知られる、"Fats" Wallerの生まれた日です。


 1904年5月21日、ニューヨークのハーレムで生まれたWallerは、バプテストの牧師の父を持ち、バージニアから移住してきた家庭で育ちました。彼の祖父は優れたバイオリニストでした。


 幼少期から音楽の才能を発揮したWallerは、教会の音楽ディレクターからクラシックピアノとオルガンを学びました。その後、ハーレムの有名なストライドピアニスト、James P. Johnsonに師事し、彼の紹介で「レンタルパーティー」(家賃を稼ぐためにピアノを弾くパーティー)で演奏するようになりました。1922年に、18歳で初めてレコーディングを行いました。


 彼はストライドスタイルの名ピアニストとして評価され、多くのミュージシャンと共演しましたが、最も成功したのは自身のバンドFats Waller and his Rhythmとしての活動でした。その才能は多くの有名人にも認められ、時には望まぬ形で注目を集めることもありました。


 例えば、1926年にシカゴで演奏後4人の男に誘拐され、ギャングのボス、Al Caponeの誕生日パーティーで演奏するよう強制されるという出来事がありました。この時彼は3日間演奏し続け、多額のチップを受け取ったと言われています。


 Wallerの代表曲には「"Squeeze Me"(1919年)、"Ain't Misbehavin'"(1929年)、"Honeysuckle Rose"(1929年)、"I've Got a Feeling I'm Falling"(1929年)、"Jitterbug Waltz"(1942年)などがあります。また、ティンパン・アレーの作詞家Andy Razafと協力し、Louis Armstrongのヒット曲"What Did I Do (to Be So Black and Blue)?"(1929年)を手掛けました。


 Wallerは1930年代後半にイギリスでも成功し、BBCのテレビ放送に出演しました。さらに、数々の映画にも出演し、1943年に公開された"Stormy Weather"にも登場しました。


 ちなみに、彼のニックネーム“Fats”は、体重が300ポンド(約136キログラム)を超えていたことから付けられました。このニックネームは、彼のユーモアと親しみやすさを象徴しています。


 “Fats”は1943年12月15日、ミズーリ州カンザスシティ近郊の列車内で、肺炎のために39歳の若さで亡くなりました。しかし、彼の音楽とユーモアは今もなお多くの人々に愛され続けています。

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