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執筆者の写真ス・モンク カフェ

Paul Chambers:ハードバップの精鋭“Bass On Top”


 今日4月22日は、ジャズ・ベーシストのPaul Chambersの誕生日です。彼は1950年代から1960年代にかけてリズムセクションの一員として活躍し、ハードバップ時代の最も広く知られたジャズベーシストの一人であり、アルコの名手としても知られています。


 Chambersの音楽キャリアは、学校の同級生とバリトンホルンで演奏したところから始まちました。その後にチューバに転向しましたが、楽器を持ち運ぶのが大変だと感じ、あまり好きではなかったようです。彼がCharlie ParkerやBud Powellを聴き始めたのは、およそ15歳の頃で、これが彼にとって最初のジャズ体験でした。Oscar PettifordとRay Brownが最初に彼が尊敬したベーシストであり、これに続いてPercy Heath、Milt Hinton、Wendell Marshallが彼らのリズムセクションの仕事、そしてCharles MingusとGeorge Duvivierがジャズベースの範囲を広げるための技術的な熟練度と努力についてリスペクトされ、特にDuke EllingtonのベーシストであるJimmy Blantonは彼の最もお気に入りのベーシストでした。


 1949年頃にChambersはベースに転向し、その本格的なトレーニングを開始します。デトロイト交響楽団の首席ベーシストであるGaston Brohanからプライベートレッスンを受け、クラシック音楽の演奏も行いました。キャス・テクニカル・ハイスクールでの学びの間、彼はキャスの交響楽団や他の学生グループで演奏しました。


 1954年から1955年にかけて、 Bennie Green、 Paul Quinichette、George Wallington、J. J. Johnsonなどのミュージシャンとツアーを行い、ベーシストとしての重要度を高め、1955年にはMiles Davisのクインテットに加入し、翌年にはダウンビート誌の「ニュー・スター・アワード」を受賞しています。彼はMilesのもとで1963年まで活動し、“Kind of Blue”を含む多くの名盤に参加しました。その後は1968年まで、Wynton Kellyのトリオと共演し、その後もサイドマンとして多くのミュージシャンと共演しました。


 Chambersはセッション・ミュージシャンとしても非常に重宝され、その決して長くはない活動期間中に数多くのアルバムに参加しました。その中には、Thelonious Monkの“Brilliant Corners”、John Coltraneの“Giant Steps”といった歴史的な作品が含まれます。

また、多くのミュージシャンがチェンバースに捧げた曲を作曲しており、その中でも特に有名なものとして、

  1. "The P.C. Blues" - Red Garlandが書いたこの曲は、Paul Chambersに敬意を表しています。Garlandのアルバム“Soul Junction”(1957年)に収録されています。

  2. "Mr. P.C." - John Coltraneが書いたこの曲も、Paul Chambersに捧げられました。彼のニックネームである"Mr. P.C."にちなんで名付けられました。Coltraneのアルバム“Giant Steps”(1960年)に収録されています。

  3. "Big Paul" - Tommy Flanaganが作曲したこの曲は、Chambersのニックネーム"Big Paul"に捧げられました。 Kenny BurrellとJohn Coltraneの共演アルバム“Kenny Burrell & John Coltrane”(1958年)に収録されています。

  4. "Five For Paul" - Max Roachが作曲したこの曲は、Paul Chambersに敬意を表しています。RoachのドラムソロLP“Max Roach in Tokyo”(1977年)に収録されています。

  5. "Paul's Pal" - Sonny Rollinsが作曲したこの曲も、Chambersに捧げられました。Rollinsのアルバム“Saxophone Colossus”(1956年)に収録されています。

といった作品があげられます。


 そんなChambersの誕生日には、彼の代表作の一つである『Bass On Top』をぜひ聴いてみてください。これは発表当時彼が22歳だったが、既にN.Y.のトップ・ベーシストとして君臨していたアルバムです。メロディアスなソロ演奏に、強靭かつ正確無比な4ビートのラインも堪能できる、まさにChambersの真骨頂といった内容です。


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