Wes Montgomery:ギタリストの最後の旅立ち“Road Song”

　きょうは、ジャズギタリストWes Montgomeryのラストアルバム“Road Song”のレコーディングが行われた日です。このアルバムは彼のキャリアの最後の輝きの一つであり、Wesが45歳で亡くなる直前に録音されました。

　このアルバムの前のA&Mにおける2枚のリリースと同様に、このアルバムも純粋にポップス路線に属しています。Wesはシンプルにメロディをなぞりつつ、得意のオクターブ奏法を多用した特徴的なギタープレイを披露しています。そして、オーケストラによるDon Sebeskyのアレンジが彼を支えています。

　このアルバムには、The Beatlesの“Yesterday”や“I'll Be Back”、そしてSimon & Garfunkelの“Scarborough Fair”などのポップスタンダードが取り上げられています。これらの曲は、Wesの洗練された都会的なアレンジによって新たな魅力を放ち、Don Sebeskyの見事な編曲によって、Wesのギターが穏やかに流れるように心地よく展開されていきます。

　Wesが亡くなるわずか1か月前に録音された“Road Song”ですが。残念ながら彼の急逝により、彼のキャリアの幕引きとなってしまいました。しかし“Road Song”は、Wes Montgomeryのポップスへの愛情と才能を示す貴重な一枚です。彼の独特のギタースタイルと、Don Sebeskyによるオーケストラの編曲の見事な融合は、その美しいメロディと心に響く演奏とともに、彼の遺産として永遠に残り続けるでしょう。