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執筆者の写真ス・モンク カフェ

昭和ジャズ喫茶雑感


きょうは「昭和の日」。ということで、昭和のジャズ喫茶を振り返ってみたいと思います。


 マスターは修学旅行に青函連絡船を使った最後の世代、ということでギリギリ昭和も末期のジャズ喫茶に滑り込みデビューできた部類に入ります。その頃はジャズ喫茶もピークはとうに過ぎており、思ったより明るめの雰囲気で、往時のような「私語厳禁」といったこともありませんでした。駄菓子菓子もとい、だがしかし!全盛期のジャズ喫茶は、そんなに甘くはなかったと伝え聞いております。


 当時のジャズ喫茶は、暗めの照明が店内を包み、深い地下空間に音楽と煙が漂っており、その中で客たちは静かに、真剣な面持ちで音楽に耳を傾けていました。その中には、一杯のコーヒーで一日中座り続ける猛者もいたようです。壁には漆黒のレコードが積まれ、大きなスピーカーから流れる音楽が空間を満たしていました。


 本を読むときは、ページをめくる音にさえ気を使い。新聞のガザガザいう音などもってのほか。ライターのカチッという金属音さえご法度でした。代わりに、マッチを擦る音が店内に広がり、その温かな音が音楽と調和しました。あちらこちらでたちこめる煙が、まるでジャズ喫茶の魔法の一部のようでした。その異様な空間に、大音量のジャズが不協和音を放ちながら轟いていました。昭和のジャズ喫茶は、確かに敷居が高い雰囲気でしたが、そこに足を踏み入れると、まるで異世界に迷い込んだような不思議な感覚に包まれました。


 そして時代は「令和」へと移り変わり、「ジャズ喫茶」も「リスニング・カフェ」とか呼ばれるようになり、店内もカジュアルな雰囲気で、音楽好きが友人宅でレコード盤をかけつつ会話も楽しむような感覚でくつろげるお店が増えているようです。


 我が'S Monk Caveにも、ぜひそんなノリでお越しいただき、素晴らしい音楽と共に素敵な時間を過ごしていただけたらと願っています。

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